鍼灸マッサージ院ミモザです。

温かい日が多くなり、いよいよ春が訪れてきました。
今日は季節のお話と、春の過ごし方について書いてみようと思います。

春夏秋冬という四季があるわけで、それらに呼応した形で身体の五臓が影響を受けるという考え方が東洋医学にはあります。いわゆる「五行説(万物を5つに分けて考えてみましょうというものです)」です。四季を5つにするという事は何かを増やす事になるのですが、五行説では夏と秋の間に長夏(ちょうか)というものを入れてそれぞれに対応させています。これは夏と秋の間の73日間を示しているものなのですが、やはり、考え方が中国から来ているので時期が少しずれています。日本で東洋医学的に長夏は梅雨にあたるとされています。本来の季節では夏の前に梅雨ですからそこが入れ替わるのですが、そこはやはり土地の違いというものでしょう。

五行説の図は以下のようなものです。

五行

ここでは土用というものが長夏の代わりに入っています。この土用というのも本来は立春、立夏、立秋、立冬の日の前の18日間をさしているので1年に4回訪れるものです。土用、つまり土は栄養を蔵しているものですからこの期間は特に次の季節の為に栄養を蓄えましょうという時期です、という事を示しているわけです。
ちなみに、中国での季節には24節気と言われる季節もあります。これは1年を24の時期に分けているのですが、その周期に分けるとおおよそ1つの節気は15日くらい、これは農耕の際に15日くらいの周期の方が区切りとしていいからという理由で設けられたという説が一般的です。

24節気

太極図の周りに24の節気があります。日本でもなじみのある言葉があります。特に夏至と冬至は陰陽という概念には重要で、陰陽には「陰が極まると陽となる」「陽が極まると陰となる」という言葉があるように、夏至は1年のうちで一番陽気が極まる時ですが、そこから徐々に陰の気が盛んになり、冬至は陰の気が極まる時、そして、太陽が新しく生まれ変わる時でもあります。

さて、今は春分を過ぎたあたりです。この春の過ごし方はどの様にすべきなのでしょうか。春は「発陳(はっちん)」、土に埋まっていた種から芽がでて伸びてくる、陽の気が体の中から発生する時期です。ちなみに、冬は「閉蔵」陽気を発散させることなく体に蓄えておきましょうという季節です。この冬に本来は活動的になりすぎたり、汗をかくような激しい運動を行ったりすると貯めなくてはならない陽気を消耗してしまい、春に芽吹く為の陽気が足りなくなってしまいます。そうすると、春になって手足がだるくなってしまったり、鼻血を出してしまったりします
この点で、春のキーワードは陽気というものになりそうです。春になって活動的にならなくてはならないのに、気持ちを沈めて鬱々としていると発散できない陽気が、例えば神経痛や皮膚病、だるさ、睡眠の質の低下などをもたらしてしまいます。このような時は簡単な体操などでもいいので、運動してみることで解消される事が多いのも、春の特徴です。
さて、先ほどの五行説の表では春は「」の気が影響する時期という事になります。ですので、必然的に肝を滋養する事が大切になります。肝には大きく2つの作用があります。「疏泄(そせつ)作用」と「蔵血作用」です。疏泄というと難しいようですが、単純に体の隅々まで気や血をのびやかに運び循環させる作用というイメージです。蔵血は字のごとく、血を貯めるという作用で、これがうまくいかないと先ほどの鼻血などにつながるという事です。また、東洋医学では日中活動している時は血は体を循環していますが、夜になると肝に貯められる、それによって体は活動的な状態から睡眠に向けての準備が出来るのですが、この蔵血作用がうまくいかないと睡眠のリズムに支障をきたします。

肝を元気に機能的にしておくことが大事という事になります。肝は酸味のある食べ物で滋養されます。食べ過ぎればむしろ負担ですので、1日の食事のなかで酸味を摂るように心がけてみると良いと思います。
もう1つ、肝の為の耳ツボによるセルフケアをご紹介しておきます。

肝と耳

耳の図です。この中の赤い丸の内で耳の中ほどにあるエリアに肝に関係する耳ツボがあります。また、上の赤い丸には「神門」というツボがあり、これは耳ツボダイエット等でも良く使われますが、気持ちがイライラとした時、その抑制に効果があるとされているツボです。肝の感情は「怒り、怒り過ぎれば肝をいためるとされています。耳の中ほどにある肝のエリア、そしてイライラを抑える耳の上のエリアにある「神門」、そして、耳たぶ(耳は人が逆さになった形で反応点がありますので、耳たぶが頭の反応エリアです)の3か所を優しくつまんでマッサージしてみる事も肝、そして春の養生方法の1つです。ちょっとした時間でお試しください。