今回も大雑把なテーマを掲げています。『腹筋と背筋、そして腰痛』。ようするに、まずは腹筋と背筋のバランスと腰痛に相関性はあるのかという事を書いてみようと思っています。

腰痛…その原因

腰痛の際に、「腹筋と背筋のバランスが悪いから腰を痛めましたね。」とか「腹筋が弱くなると腰痛を引き起こしやすくなるので、腰痛改善の為にも腹筋をやっていきましょう。」というアドバイスは、それなりに聞く事かも知れません、そして、これはだいぶ前から言われてきているような気がします。

もちろん、筋肉のバランスというものは軽視できません。しかし、「腰痛=腹筋の弱体もしくは腹筋と背筋のバランスの崩れ」というのは数多く存在する腰痛の原因のほんの少しでしかないのではないかと日々の経験から考えています。これが腰痛の原因ですという一元的な考え方が出来ないのが事実です。強いて言えば、直立二足歩行による宿命という部分もあるかと思いきや最近では、犬とくにダックスフントには腰椎のヘルニアなどが起きやすいとか…

もともと、腰痛の原因は人によって違うのが当り前で、それをパターン化していくことには無理があるように思います。パターン化していけるものであるならば、タイプ分けしてこのパターンの腰痛にはこのストレッチ、このトレーニングなど書く事も出来ますが、それは大きなくくりとして、ビンゴではないけど、かすっているから、そのストレッチをやったら良くなった、トレーニングしたら良くなったという事が言えるのではないかと思います。身も蓋もない事を書けば、腰痛の原因は1人1人違い、その生活環境精神状態等が大きく影響を与えるものだとは言えるので病院や接骨院、鍼・灸、整体院などでそれらを問診して予測して、触診やテストによってその時の腰痛の原因を突き止めるという作業が必要になります。

ただ、今回はあらためて腹筋と背筋とは何ぞや、腰痛の関係とはどういう事かを中心に書いていこうと思います。

腹筋と背筋

 

fukkinntohaikinn

腹筋と背筋、イメージはどこかという事は分かると思うのですが、分けると上の様なカテゴリーになると思います(ちなみに、解剖学の本によって若干このあたりは違いがあります)。

腹筋は身体を前に曲げる動作や身体をひねる・横に曲げる動作に関与しています。またそれは大きく4つの層に分かれています。一番表面は腹直筋、良く「お腹の筋肉を割る」というのはこの部分です。その下に外腹斜筋、その下が、内腹斜筋この2つはボディーラインのくびれに関わります。腹筋運動はたくさんありますが、ただ身体をまっすぐに起こすという動作ではなかなかついてくれません。くびれを気にする場合は、身体をひねりながら使うという運動を行ってください。さらにこれらの下には腹横筋と呼ばれる筋肉があります。お腹周りをぐるっと横方向に走り(イメージは腹巻みたいな感じです)、身体の全ての動作に関与しますが、それと共に、お腹を凹ませたり、お腹周りを固める役割をしています。錐体筋はこれを腹筋の中に入れるべきか、入れないべきか難しいですが、お腹の真ん中を分ける白線という線維のバランスをとってます。

問題は背筋です。腹筋と背筋のバランスを整えるという事がどういう事か、この時の背筋はどの筋肉をさしているのか漠然としている事がほとんどです。それだけ背筋は範囲が広く、働きも多様です。図では大きく分けていますが、まずは皮膚に近い、浅い部分の筋肉と、背骨や肋骨に近い深い部分にある筋肉に分けていきます。浅背筋と書いてありますが、そんな筋肉はありません。カテゴリーです。その中には逆三角形の身体を作っている広背筋(これは仙骨という骨から腕の骨まで広がっているものです。)、頭から、肩甲骨、背骨とくっついて上背部の様々な動きを可能にしている僧帽筋(肩こりの対象になりやすい筋肉と書いた方が分かりやすいかも)など姿勢ににも関与していますが、動作も担っている筋肉たち。それよりも奥にある筋肉を更に分けて一番深い部分、背骨や肋骨にくっついていく筋肉たちが脊柱起立筋や多裂筋、回旋筋という固有背筋、そして、その固有背筋と浅背筋の間にあるのが上・下の後鋸筋。これらを全て働きやどこからどこについているかを示すと大変なのでやめますが、腰痛に関与する時の背筋がどれとは言えないのが現実です。どれも原因になるというべきかもしれません。

ここでは、腹筋と背筋がどういうもので、何となくのイメージをつかんでもらえればいいかなと思います。

腹筋を鍛える、背筋を鍛える

腹筋を鍛える方法は、シットアップなど様々です。最近の体幹ブームとも呼べる中では、ドローイン(仰向けになって膝を立てた状態で腰が浮かないように下腹部などを使い体幹を固めておく動作です)しながらシットアップすることなど、調べれば本当に多くのスタンダードなもの(昔からやられていたようなもの)からコアスタビライゼーションの概念で作り出されている方法まで本当に多くのトレーニング方法があります。

腹筋を鍛えるという目的において最良なものがあるわけではありません。少なからず、自分でお腹の筋肉が緊張していると感じながら行えて、かつ、やっていながら腰や首が痛くならないものならば実施してください。ここやり方を紹介するよりもネットや書店でみていただいたり、もし、どこかのスポーツクラブや治療院などに言っている方はそこのトレーナーや施術者にどんな腹筋がいいか聞いてみてください。

背筋を鍛える方法も腹筋と同様に自分に合った方法を探していただきたいのですが、その際に、先ほど上げた多くの背筋の中でも固有背筋と言われる深部の筋肉を意識できる方法を探してください。

腰痛と筋肉

姿勢と筋肉

今日のテーマ、腹筋と背筋そして腰痛の関係は確かに存在します。腹筋運動を行ったことで腰痛が改善したというケースも多く存在しています。しかし、先にも書いたように、こればかりが原因ではないですし、一元的に原因を腹筋や背筋に求めることは出来ないと考えます。日常的に運動したり、鍛えている方の中にも慢性的な腰痛を訴える方はいますし、高齢者で腹筋や背筋の筋力が低下して、硬くなっているような場合でも腰痛を訴えないという事は多く存在します。ようするに、腰痛(これだけではなく、すべての症状にたいして)の原因が腹筋にあるのか、それとも他にあるのかを見極めて、腹筋が他の筋肉に比べて著しく弱い、硬いなどの傾向があるならば腹筋運動を勧める必要があります。

上の図は腰痛に際して、考えなくてはならない代表的な筋肉です。腹筋、背筋の他にこれらの筋肉の状態を調べなくてはならないのが本当のところで、これを調べるには筋力テストや柔軟テストなどを個々の筋肉に行い、更に歩行などの動作からも推測していく必要があります。このあたりのことは専門的になりすぎるので割愛しますが、少なからず、腰痛に至る原因になる筋肉は多く存在する事だけは分かっておくと、腹筋運動したらかえって腰が痛めたという状況も減るのではないかと思います。

筋力が弱いと判断したら、鍛え、硬いと判断したらストレッチを。マッサージでは筋力はつきません。マッサージを施すならば筋力が弱くなっている筋肉をマッサージするよりもその弱さを支えるために緊張が過度に出ている所にやる方が結果として相対的なバランスがとれ、痛みの軽減に役立つと思います。また、関節の動きが悪い(これにも色々原因はあるのですが)ことでその関節を動かす筋肉が機能しなくなっているのであれば、筋肉をほぐしただけでは原因が解決しないかもしれません。結局、一元的な腰痛の予防というのは原因究明という点では難しい部分があります。その為に医療従事者やトレーナーという方々を利用してくださるといいのでは何かと思います。ただ、なかなか行く時間が無い、または簡易的に自分の弱いところ、硬いところを知りセルフケアに役立ててもらえればと思いますので、そのあたりの事を次回書いてみようと思います。