急に冷え込みがきつくなり体調を崩す方も多くなってきたようです。先日私の身内も発熱で寝込んでいましたが、そもそも発熱に対して適切な処置とはどのようなものがあるのか、発熱とはどんな原因が考えられるかなど、発熱に関して何回かに分けて書いてみようと思います。

発熱は体のどこかの炎症

発熱は、体の中でなにか普段と違うことが起きていることで通常より体温をあげている状態です。たとえば、風邪を引いた際は最初アデノウイルスに代表されるようなウイルス感染が起き、脳が交感神経と筋肉にもっと熱を作って体に入ってきた異物と戦うように指令を出す、この時に信号として働くのが、炎症性サイトカインやプロスタグランジンE2というものです。寒くなったときに体がぶるぶるっと震えることがあります。これはまさに、筋肉が振動(実際は収縮)し熱を産生しようとしている行動です。

風邪はわかりやすいですが、その他、急性の胆嚢炎、食中毒、髄膜炎、急性肝炎などどこからしらの臓器などの異常、炎症に対してもまず体温を上げて対処しようとします。これが、発熱という事になります。

炎症によらない発熱

炎症によらない発熱というのが「発熱」の定義にあっているかどうかは微妙ですが、いわゆる平熱よりも高い体温になることを発熱とすれば問題ないかと思います。どこにも体の変化、炎症がない(器質的変化がない)にもかかわらず、発熱してしまうことがあります。それがストレス性・心因性発熱というものです。知恵熱という方がいいのかもしれませんが、本来、知恵熱は幼児期にいろいろなことを考え始めたり、知恵がついてきたときに原因不明で短期間熱が出る状態なので、大人に知恵熱というのはあまりあてはまりません。

この心因性発熱には明確な炎症が見受けられません。いわゆる解熱剤は先ほど書いた炎症性サイトカインやプロスタグランジンに対して有効です。しかし、そのような信号がでない心因性発熱に関しては解熱剤は有効には働きません

心因性発熱を疑う場合は以下のようなケースです。

・解熱剤が効かない

・急激なストレスが加わり、発熱するが、そのストレスが無くなると平熱に戻る

・持続的なストレスによって、微熱が続く

・不眠や手のひらや足の裏に発汗が認められる

このようなケースは、一度心因性発熱を疑い、ストレス除去や回避に力を注いだ方が熱を下げることができます。もちろん、医師の診断は受けてください。隠れている炎症や検査でないとわからない数値の変化もありますので。

熱を下げるべきか否か

発熱は心因性発熱は別として、体の何かしらの炎症に対しての防衛反応の1種です。むやみに解熱することはかえって、体に炎症の原因を残し、体の不調を長引かせる要因になることもあります。

しかし、高熱によって体力が奪われるほどの場合は解熱して体力を回復させる必要があります。

安静にできない、休めない理由で解熱剤を使わざるを得ないこともしばしばと思いますが、その際は長期にわたり体の不調を抱える可能性も考えて使ってください。できれば、医師に相談し、解熱する方がいいのか確認したほうがいいと思います。

汗をかいて熱を下げる

熱が出たときに、汗をかいて熱を下げればいいと考える方もいらっしゃいます。しかし、発熱と発汗のメカニズム的には汗は熱がひとしきり出た後、平熱に戻る際に出てくるものです。

体の防衛として熱によって異物と戦う、これが発熱です。そして体の中で免疫、防衛力が勝って熱が出なくていい状況になると、今度は余計な熱を下げなくてはなりません。この時に、汗という形で熱を外に放出しています。厚着や必要以上に室温を上げることで汗を出そうとするのは、発熱時においては、逆効果です。厚着になればそれだけ熱は中にこもることになりますし、汗を必要以上にかこうとするのは、体から戦うための体温を奪うことになりますし、体力を必要以上に奪う結果につながります。

発熱後に、自然に汗をかいたらこまめに服を着替えたり、汗を拭いていくことで自然に回復するように心がけていただくのが良いと思います。

次回は、実際に発熱の際にどう対処したらいいのかをもう少し突っ込んで書いてみようと思います。

こんな記事がありました。発熱や風邪の前にこの時期からは予防が第一ですね。

寒いと風邪を引きやすいのは本当か