東洋医学を学び、施術に活かす立場として腸というものは結構重要な部分です。今回から何度かに分けて(もしかしたら2,3回で終わるかもしれません)、腸にまつわる事を書いてみようと思います。

腸…西洋医学&東洋医学

腸に関して西洋医学と東洋医学では概念的に違う部分があります。

西洋医学において大きくは小腸と大腸に分かれます。

腸図

口から入ってきた食べ物は胃の胃酸で消化され、十二指腸で胆汁酸と膵液の混合液で消化されます。この時点で身体に吸収できる大きさまで小さく分解されていきます。この後小腸でその多くは吸収されていきます。また大腸では小腸では分解吸収できなかった食物繊維を腸内細菌の働きで発酵分解させたり、水分の吸収を行います。ちなみに吸収された栄養素たちは小腸、大腸から血管、そして肝臓へと運ばれ解毒、精査され身体中に送られていきます。ただし、直腸の下あたりで吸収されたものは、肝臓にはいかず、そのまま体内へ血液によって運ばれます。座薬はその点で肝臓の解毒過程を経ないので効果が早く出てきます

これに対して東洋医学では、五臓六腑の内、六腑の中に小腸と大腸があります。大きく、五臓の蔵は蓄えるためておくという機能があるのに対して、腑は、とどめずに流していくという機能があります。この腑における小腸は「受盛の官、清濁を決別する」という機能です。胃で入ってきた食べ物(水穀の精微といわれます)は胃で清い物と濁っている物に分けられ、そのうちの濁った部分が小腸に行きます。ここで更に清と濁に分けられ、そのうちの濁であるものを次の大腸へ送ります。大腸は「伝導の官」、小腸から送られてきた物を外に排泄する場所です。

五臓と痰

そして、東洋医学では、表裏関係という関係があります。互いに影響を与えるものですが、小腸は心と大腸は肺とつながります。この関係性は西洋医学的にも軽視できなくなってきていますが、これについてはまた違う記事で書きます。

乳酸菌とビフィズス菌

小腸や大腸について良く「善玉菌」「悪玉菌」などがテーマになります。そもそも腸の中にはおよそ100兆もの菌が存在しています。それらが互いにバランスを保つことで腸内環境は保たれています。

善玉菌は、腸の中を弱酸性に保って、免疫力を高めてくれます。腸内ビフィズス菌や腸球菌などです。

悪玉菌は、大腸菌やブドウ球菌、ウエルシュ菌などがあたりますが、腸内をアルカリ性に持っていこうとする働きがあり、発がん物質や毒素をふくむ有害物質を作り出していきます

乳酸菌とビフィズス菌

どちらも、腸に働きかけ腸内環境を良くする作用があるということは漠然と分かると思います。もしかしたらビフィズス菌は乳酸菌の1種と言われる事もあるかもしれませんが、厳密に言うと違うものです。

乳酸菌は、乳酸を作り出して身体に良い作用をもたらす細菌の総称です。身体の糖分を分解して乳酸を出す作用があるのが乳酸菌

ビフィズス菌も、乳酸を作り出しますが、実はそれ以上に酢酸という強い抗菌力をもつものを作り出したり、ビタミンB群、葉酸も作り出します

どちらも身体にとって有用な乳酸を作ります、乳酸食品ではヨーグルトなどがありますが、良く見るとビフィズス菌の入っているものと入っていないものがあります。できれば乳酸菌と共にビフィズス菌も摂っておくほうが身体にとって良いと思います

まとめ

・小腸は栄養素のほとんどを吸収している。大腸はミネラルや水分を吸収している。

・東洋医学では、小腸は心と大腸は肺と表裏の関係で互いに影響している。

・善玉菌は腸内を弱酸性にして、免疫力にも影響を与える。悪玉菌は腸内をアルカリ性にしやすく発がん性物質や毒性のある物質を産生する。

・腸内細菌のうち善玉菌に分類される乳酸菌は糖から乳酸を作る。ビフィズス菌は乳酸の他に酢酸や葉酸、ビタミンB群も作り出している。

という事です。次回は、腸と心、脳の関係を書いてみようと思います。