鍼灸マッサージ院ミモザです。

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さて、この連休を過ぎるころから、いわゆる「五月病」というものが出やすくなります。医学的には五月病という病気はないのですが、仮性鬱症であったり、自律神経失調症という形でとらえられることが多いです。
今回は、この五月病対策を、東洋医学と栄養という観点で書いてみようと思います。

今年は5月6日が「立夏」となります。以前書きましたが、二十四節気では第7期に入ります。

24節気

この立夏から立秋(8月8日)までが夏となります。五月病はこの時期の最初ですので、東洋医学における夏の養生を古典から引用させていただくと、「夏は蕃秀(ばんしゅう)といいます。天と地の氣が交流し、全ての物が花ひらく季節。陽が沈み、暗くなり夜となれば就寝し、日の出とともに起床。暑く長い日中でも運動や活動をおっくうがらず、怒りの感情にながされずに気持ちを整えてすごすことが大事です。あたかも花が咲き誇るように体の陽気も発散しておく事。これをおろそかにすると夏の氣である心を痛め、秋になると瘧(おこり:間欠的な発熱、悪寒、震え)を発症し、冬にそれが重症化しやすくなります。
夏の過ごし方としては、夏には汗をしっかりかく事で、熱(特に肺や胸にたまりやすい)を上手に発散させておかないと、熱が体にこもり、この熱を感じ続けることで身体を冷やすようなことを好み、結果として、お腹を冷やしたり、下痢になったりもします。という事になります。

このような特徴を持つ夏の初めにある「五月病」。東洋医学の基本である五行説の中では夏は心がつかさどっています。
それぞれの五行の関係は以下のようになります。

相性相克

夏は赤の部分ですね。これは相生相克関係を示しているのですが、例えば、赤いところに「心」がありますが、次が黄色いエリアが来ています。黄色の部分の五臓は「脾」という事になっています。つまり、順番良く流れているは互いに補完しながら助け合っている相生関係にあるという事になります(これは東洋医学的な流れです。「木が火によって燃えると灰となり、灰は土となっていく。土の中には金属(鉱物)があり、金属の周辺には水滴となって水を生みだす。」という自然の流れを様々なものに置き換えたものが、この相生相克関係となっています。)
五月病を東洋医学的にとらえるのであれば、「」の機能不全(これを心の虚証ととらえます)もしくは、機能亢進(これは心の実証というとらえ方になります)という事になります。心は精神状態の安定を図り、血液の流れを整えるという働きがあります。ですので、心の病証というものは、「不眠」「動悸」「物忘れ」「短気」「胸の痛み、つかえ」「夢見が多くなる」「精神不安」などとなります。また心は舌につながるものなので、「味覚異常」や「口内炎」などもでやすくなります。

まずは、先ほどの養生に従って、汗を出しながら運動する事も取り入れてみてください。また、心は先ほどの相生相克の図にもありますが、同じ赤のグループに「苦み」があります。つまり、適度に苦みのある食べ物を摂ることで心を滋養する事が出来ます。また、簡単に出来るツボの刺激もいいと思います。

内関・神門

図の緑の点。神門内関というツボがあります。いずれも手首の近くなので気がついたときに押してみたり、または、お米粒やゴマ等を使い、テープで固定して持続的な刺激を与えてもいいと思います。

東洋医学では「心」という点から苦みのある食べ物をお勧めしましたが、栄養的ににはどうでしょうか。
とくに、五月病の特徴は「やる気がでない」「疲れやすい」「精神的にイライラする」などですので、これらには「ビタミンC」「ビタミンB群」「カルシウム」等が必要です。

ストレス(精神的であれ、肉体的であれ)に対してそれに対抗するホルモンは副腎という所から出ています。ここにはビタミンCが蓄えられているのですが、ストレスを過剰に受けるとホルモンの生成にビタミンCを大量に必要となり、体から足りなくなってしまいます。人間はビタミンCを体内では作り出せませんので、しっかりと緑黄色野菜や果物を摂取して補ってください。

ビタミンB群(特にB6)もストレスと無関係ではありません。人は何かを楽しいと感じたりする時に脳内にセロトニンという物質を出していますが、疲れやストレスはそれを出せなくなる傾向にあります。もともとセロトニンはアミノ酸の合成で出来ていますので、たんぱく質を摂ることでセロトニンの原材料は確保できます、ただ、それをセロトニンに転換するにはビタミンB群が必要となります。また眠りのリズムを作るメラトニンという物質も、セロトニンを材料としています。精神不安や不眠にセロトニンやメラトニンが必要になりますし、その生成に関わるたんぱく質とビタミンB群を上手に摂ってください。簡単に摂る方法としては、バナナなどがお勧めです。

カルシウムは骨の形成や筋肉の収縮に必要ですが、神経の伝達物質にも必要です。小魚などを積極的に摂ってみてください。

東洋医学としての養生法、ツボ、苦みのある食べ物、そして栄養素から見た五月病を書いてみました。どれでもいいので、やりやすいと思ったことからためして、新しい環境やストレスに負けないケアをしてください。