前回のブログではイデオキネシスという身体を意識することで運動時のパフォーマンスであったり、姿勢であったりが変化してより良い状態にする事が出来る事を触りで書き、その中でもフランクリン・メソッドという骨盤を中心とした動きが重要ですという事から、まずは骨盤がどういう骨なのかを書きました。まとめると、

・骨盤は左右の寛骨、真ん中の仙骨、そして尾骨という骨が集まってできている。

・上半身の重さを左右の脚へ分散させるための機能と、足からかかる力を分散させる機能が力学的にある。

・内臓の受け皿。

・様々な筋肉がついている。

というものでした。今回はその骨盤についている筋肉たちのお話です。

骨盤につく筋肉たち

体感筋肉

 

骨盤につく筋肉は列挙するとかなりの数になってしまいます。まず上の図では左は身体の前面にある筋肉たち、そして右は背中の筋肉たちです。これらは身体を動かす時に使われるわけですが、それぞれが連動して動きを作り出しています。この時に、ある動きをしたくて、それに関わる筋肉を動員しても、そのうちどれか1つでも周りの筋肉よりも弱かったり、緊張していると動きは、その弱い筋肉のレベルでしか発揮できません。これを無理に使えば何かしらの障害につながってしまいます

このような動きの制限要素を見極め、強化や柔軟性の獲得をさせることで運動をより良い状態で出来るようにする、このスペシャリストがトレーナーと言われる方々です。

上の筋肉たちの内で、抗重力筋、または姿勢筋と言われる身体の姿勢に関わる筋肉たちもいます。

姿勢の改善に役立ちそうなセルフケアに関しては以前のブログをリンクさせていますので、興味のある方は、こちらをクリックしてください。

当然、これらの筋肉たちも自分の身体に置き換えてイメージすることが重要ですが、もう1つなかなかイメージしづらいのですが、身体の使い方に大きく影響を与える骨盤の安定性と、連動性に関係する筋肉たちがいます。それが骨盤底筋と言われる筋肉たちです。

骨盤底筋

骨盤底筋とはあまり聞き慣れない筋肉かもしれませんが、これは1つの筋肉ではなく大きく4つの筋肉を総称して呼ばれている筋肉群です。

字のごとく、骨盤の底にある筋肉たちです。主な働きは肛門を締めたり、女性であれば膣を締めたりする筋肉です。

 

まずは骨盤を頭の方からのぞいてみましょう。

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上から見た時に、骨盤の底の部分は、

骨盤底筋 上から

このような筋肉たちが骨盤の底を覆っています。そして、下から骨盤を覗くと、

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骨盤底筋 下から

 

このようになっています。骨盤底筋は、肛門挙筋、深会陰横筋、坐骨海綿体筋、球海綿体筋の4つをまとめて総称として呼ばれています。いずれも、尿道を締めたり、肛門を締めたりしている筋肉たちです。これらが緩むことで、例えば高齢の方の尿失禁につながります。

骨盤底筋はどちらかというと、女性に着目されやすいです。男性に比べて女性は構造的に尿道と肛門そして、膣という骨盤に3つの穴がある為、骨盤底筋の強度が男性よりも弱いという問題や妊娠や出産時に骨盤底筋が支えになり、また緩むことも影響します。これらを改善させるためのメソッドがフランクリン・メソッドの中にふんだんにあります。それらをすべてこメソッドのほかにちらで書く事は出来ませんし、骨盤の意識は1日にして出来ることではありませんので、じっくりと取り組んでください。

骨盤底筋に働きかける有名な運動、ケーゲル体操もあわせて紹介させていただきます。

実践(フランクリン・メソッド&ケーゲル体操)

フランクリン・メソッドはただ、その動きをまねれば良いという運動メソッドではありません。むしろ、大事なことは意識、イメージです。自分の身体の動かしかたのイメージができて、自分の意志通りに動かす事が出来るか、さらに、その動きをするために他の部分がどう関与して、1つの流れの中でその運動をイメージ通りにつなげていくことが重要になります。そこで、まずは単純に触ることで意識をしてみてください。

尾骨、坐骨、恥骨

 

ご自身の手で図のように恥骨と坐骨(結節)、尾骨と坐骨(結節)に触れてみてください。図では恥骨と坐骨を触れていますが、触れるのはご自身の左手で右の恥骨、そして、右手で右の坐骨を触れます。その状態でゆっくりと呼吸をして、触れている側の恥骨と坐骨に意識していきます。1分ほどしたら、今度は手と触れる側を変えて、同じように呼吸をします。

尾骨と坐骨も一緒です。右手で右の坐骨に触れ、左手で尾骨の右側に触れ、呼吸を1分意識しながら行い、逆サイドも同様に行います。

こうすることで、それぞれの間で流れができ、骨盤の安定性を向上させます。

骨盤底筋と動き

足の幅は肩幅より広く立ちます。この時は坐骨同士が閉じています。つまり、骨盤底筋は緊張をしている状態です。また前回の仙骨の動きでいけばカウンターニューテーションとなります。この際は坐骨同士は近づき、骨盤の上の方は広がりますが、同時に骨盤全体が立ちあがる状態になります。そこからゆっくり膝をつま先と同じ方向に開きながら坐骨は広がっていきます。仙骨はニューテーションとなり、骨盤底筋は緩みます。緩むことで股関節の可動性、柔軟性は向上します。試しに膝を曲げていく際にご自身の手で左右から坐骨を広がらないように挟むようにしてみると股関節の運動性は落ち、膝に負担がかかる事が意識できるかもしれません。

ケーゲル体操

ただし、骨盤底筋がいかに働いているかを意識できるには時間がかかります。そこで、ケーゲル体操を取り入れてみるといいと思います。ケーゲル体操はもともとは産後の女性の尿失禁や骨盤の緩みを改善していくために作り出された運動ですが、それに付随して姿勢がよくなった、腰痛が軽減したなどの効果もあります。

体幹トレーニングバージョン

膝を立て、お腹から力を抜き、リラックスします。もちろんお腹の力が入らない状態でリラックスしているのであれば立ってやっても膝立ちでやっても大丈夫です。この状態から

・肛門、膣を締めるようにリズミカルにゆっくりと5回ほど力をいれます(この時にお腹やその他の部分に力が入るのは骨盤底筋以外を使っているので一度リラックスし直して骨盤底筋のみに意識をしてください)。

・5回力を入れたら完全に骨盤底筋もリラックスして、再度リズミカルに先ほどよりも少し速いテンポで5回同様に骨盤底筋のみに意識して力を入れたり抜いたりします。5回終了したら一端リラックス。

・この2つのゆっくりしたテンポと少し速いテンポを1セットとして、1日で5セット繰り返します。

骨盤底筋のトレーニングなので、お腹に力が入らないように注意してください。またやりすぎも良くありません。5セットを上限にしてください。

この一連の体操がケーゲル体操と言われるものです。産後の緩んだ骨盤底筋に張りを持たせ、骨盤の安定性と共に姿勢を正す効果があります。もちろん、男性もこれをやることで骨盤の安定性や骨盤底筋の意識向上で姿勢が良くなったり、ダイエット効果もあるとされています。

このケーゲル体操の後でもう1度先ほどの足を開いて膝を曲げ伸ばしする運動をしてみてください。少し、骨盤の下で動く何かを感じられると良いと思います。

また、四つん這いで行う運動も骨盤の動きを感じられるいい運動です。

キャットストレッチと骨盤底筋

図のようにこれもゆっくりとしたリズムで赤い点(坐骨)を意識しながら背中を丸めた時には坐骨は近づき、背中をそると離れる事を意識してみてください。

まとめ

前回、今回と骨盤について書いてみました。普段ご自身の骨盤のポジションを意識する機会が無い方はまずは骨盤の一部を触れてみてください。そこから、運動を行った際の骨盤の位置関係や、骨盤底筋の意識をしてみてください。

大事なことは何度も書きますが、イメージです。自分自身の骨盤のイメージ、骨盤底筋の働くイメージを感覚とリンクさせることで、今まで以上に身体が動かしやすくなったり、姿勢が良くなりますし、また腰痛や膝の痛み等も軽減する事となります。

初めは難しいと思いますが、取り組んでいくことで意識できますので、挑戦してみてください。