当院では、産後の骨盤ケアを承っております。この産後のケアに関していただく質問に「産後、いつくらいから骨盤調整をした方がいいですか?」というものがあります。

今日は、この点に関して回答とともに書いてみようと思います。

妊娠中の骨盤

妊娠中は骨盤の変化が最も多い時期と言えます。それは、胎児が大きくなることによる影響もありますが、ペプチドホルモンの1つでリラキシンというホルモンの働きが骨盤の安定性に影響を与えます。

骨盤を安定させる要素は様々ですが、直接的に関節を安定させる組織として、靭帯というものがあります。骨盤にはこの靭帯が数多くあり、通常上半身の体重を骨盤で受け止め下半身に分散させたり、下半身からの力を上半身に伝えたりしています。そのために数多くの靭帯が関節を守り、安定させています。

妊娠3か月目くらいから先ほどのリラキシンが分泌されるのですが、これは一言でいえば、「靭帯を緩めるホルモン」と言えます。

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このホルモンの作用によって上の図の恥骨結合にある靭帯や仙腸関節に関係する靭帯は緩まり、産道が形成されやすくしています。

リラキシンはいつからいつまで

先ほど書いたように、リラキシンは妊娠3か月目くらいから産後およそ6か月の間影響を与え続けます。

つまり、分娩したらおしまいではなく、その後もしばらくは骨盤の安定性に影響を与え、腰痛の原因にもなります。

だからこそ、今は専用のベルトがありますが、少し前はさらしを巻いて骨盤を安定させることが必要でした。産後のベルトも種類によって産後直後から使えるものから産後2週間ほどしてから使えるものまでありますので、用途を把握して使ってください。

産後の骨盤ケアはいつから?

出産直後は非常に骨盤の安定性が悪く、これが、産後6か月から9か月ほどかけて通常の骨盤の状態に徐々に戻っていきます。とくに戻り始めるのは産後2か月目からです。そこで、当院では、産後の骨盤ケアは産後早くても6週目くらいから始めることをお勧めしています。もちろん状態次第ですが、産後すぐに施術することはかえって骨盤の不安定さを出してしまうリスクもあります。それ以前に出産直後の1か月は母体の健康状態も万全ではありません。出産して、すぐに育児が始まるわけで、その間、様々な生活の変化の中で体も変化をしていきます。その間は、無理に骨盤ケアをしなくても、先ほど書いた骨盤ベルトの利用で安定させることが重要です。

ちなみに、骨盤ベルトは着用位置をしっかりと守ってください。時折ベルトが骨盤ではなく、その上の腰の筋肉周りに巻いているケースがあります。これはかえって産道を開くような圧が加わります。

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