質が良い睡眠とはどんな睡眠でしょうか。シンプルに言えば、寝付きと目覚めが良く起きた時には体の疲れが取れているという事だと思います。

寝ている時の姿勢、ベッドや布団の硬さ、まくらの高さ、睡眠時間など睡眠の質を左右する要素は様々です。

今回は睡眠時間や鼻呼吸に関して書いてみようと思います。

睡眠時間

睡眠時間に関しては様々に言われています。私が鍼灸の専門学校に通っている時には7~9時間の間が良いと教わり、それ以下でも以上でも死亡率が高くなると聞かされました。しかし、今ではその説はあまり根拠がないようです。それよりも、自分自身のリズムに合わせる事が大切です。

睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠という2つのタイミングがあります。レム睡眠の層で起きていただく方が眠りの浅い時期に起きれる為に寝起きがスムーズです。このタイミングはおよそ90分周期ですので、起きるタイミング、睡眠に必要な時間は90分の倍数でのタイミングが理想的です。4回の繰り返しでは360分で、6時間睡眠、6回の繰り返しでは9時間睡眠となります。

しかし、実際にどのくらいの睡眠時間が必要かは個人個人で差があります。短い時間でも十分な方もいれば、長い時間寝ないと不十分な方もいますので、まずは自分自身の睡眠時間を探す必要があります。やり方は簡単です。条件は就寝時間を同じ時刻にしていただく事。それを決めたら、先ほどの90分周期の時間を目覚ましでセットして何日か違う時間で寝てみてください。6時間(90分×4)、7時間半(90分×5)、9時間(90分×6)もしくは4時間半(90分×3)、どの時間がもっともすっきりと目覚める事が出来たのか探してみると、自分にあった睡眠時間が分かると思います。

より良い睡眠の為に

せっかく自分に合った睡眠時間が分かっても、スムーズな睡眠を妨げる行為をしては勿体ありません。以下の事は避けるように心がけてください。

カフェイン、アルコール飲料は避ける(カフェインは脳の覚醒に作用しますし、アルコールは入眠、覚醒に関わる脳の働きを一時的に感じずらくさせます。いずれも睡眠を浅いものにしてしまいます。)

タバコ(こちらも脳の覚醒に向かわせる作用があります。)

*カフェインやアルコールは寝る時間から最低3時間前まで、出来れば5,6時間は空ける事をお勧めします。タバコに関してはその作用時間はおおよそ30分ほどで脳へ働きかけるとされていますので、寝る前の30分前は吸わないようにしてください。

就寝前の勉強や仕事(交感神経を働かせてしまいますので、寝る前はなるべく避けてください。)

過度の運動(ウエイトトレーニング等は交感神経を高ぶらせてしまいます。もちろんウエイトトレーニングによって疲労した筋肉を修復しより強いものしていくうえで睡眠は欠かせませんが、トレーニング後はしっかりストレッチなどしてリラックスさせてから睡眠に入るようにしてください。)

テレビ、パソコン、携帯電話の使用(音や画像による脳の覚醒とパソコンや携帯電話からでるブルーライト、これは太陽光と同じ働きで脳を覚醒させます。)

これらを全部やろうとするのは難しいですが、できるだけ避けていただき、寝る前は気持ちの落ち着ける方法を探して実施してください。ストレッチやアロマ、リラックスできる音楽等色々試してください。

寝ている時の呼吸

寝ている間、自分自身がどの様な呼吸をしているかはなかなか分かりません。しかし、普段の自分の呼吸は分かると思います。口呼吸なのか、鼻呼吸なのか。

本来呼吸は鼻でするものです。口はあくまで消化器官ですので、呼吸には適していません。

鼻呼吸の意義は吸った空気中の浮遊物(ゴミ、チリ、細菌やウイルスなど)を鼻毛によって防御できる点、鼻から副鼻腔、扁桃を通る過程で血管を拡張する作用のある一酸化窒素を作り出せる点、口呼吸では肩や首の筋肉を使い呼吸してしまい、摂取した酸素をそちらにも使われることで全身に運ばれる酸素量が減ってしまう点、これに合わせて脳への酸素供給量が減ることで口呼吸の場合は集中力が欠如しやすくなる点など体にとっては鼻呼吸は健康面でも大きな意味があります。また、口呼吸をすることで呼吸が浅くなり、肺の中でガス交換(酸素と二酸化炭素の受け渡しです)がうまくできず、血液中の二酸化炭素の量が減る事もあります。酸素と二酸化炭素は本来絶妙なバランスを保っているものですが、これが保てなくなると酸性に体が傾いてしまい機能を著しく低下させてしまいます。

睡眠時無呼吸症候群という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、口呼吸を行う事で仰向けになった際に気道を閉塞しやすくなり、途中呼吸が止まってしまう状況が起こると、全身への酸素供給量が減ってしまい、結果寝ても体の疲れが取れず、それだけでなく、日中の活動時期に疲労と酸欠から急激な眠気に襲われる事もあります。これに関してはしっかりと専門医に相談してください。

このような状態でなくとも、口呼吸は寝ている間の呼吸の流れを滞らせてしまうきっかけになります。できるだけ、普段から口呼吸から鼻呼吸に変えていく必要があります。

口呼吸と鼻呼吸のチェック

まず自分が口呼吸なのか鼻呼吸なのかをチェックしてみてください。

・無意識のうちに口が半開きになっている。

・口内炎が出来やすい。

・歯並びが悪い。

・唇が乾燥しやすい。

・食事の際にクチャクチャと音を立てて食べている。

・物を噛む時にどちらか左右一方しか使っていない。

・食べる速度が速い(良く噛まない)

これらが当てはまる場合は口呼吸の可能性があります。意識的に鼻呼吸を行っても持続できない場合も口呼吸の傾向にあると考えて良いと思います。

また、口呼吸の傾向にある方は舌の位置も鼻呼吸の方とは違ってきます。鼻呼吸の方は舌が上顎にくっついていますが、口呼吸の方は舌が上顎につかず、前歯の裏側についていることが多くなります。意図的に鼻呼吸を試みても舌が上顎についていない時は舌を支える筋肉の強化も必要になります。

鼻呼吸へのトレーニング

・食事の際に、どちらか一方で噛む癖を改善して、まんべんなく左右の奥歯でものを噛むようにしてみる。

口の周りの筋肉(口輪筋や咬筋など)を鍛えるあいうべ体操)。

・意識して鼻呼吸を行う。

これらがトレーニングとしては一般的です。さらに、MFT(口腔筋機能療法)という口腔に関する筋肉を使う方法もあるのですが、こちらはより専門的なものですので、一度歯科医師等に訪ねていただく方が間違えなく行えると思います。

また、鼻呼吸を行えていない原因が何かしらの疾患(アレルギー性鼻炎による鼻閉、副鼻腔炎などの慢性的な鼻づまり)がある場合は、まずそちらを治すために専門医に相談してください。